概念と言いますか、観念と言いますか、「お金」にはいろんな種類があると思っている。
例えば同じ「千円」があったとしても人それぞれ価値観も違うし、出所も違うというようなニュアンス。
私は一応事業主だし、サービス業だし、自ら作ったサービスを売っている。当事務所の事務所概要に書いている内容というのはこの辺の考え方がベースとなっている。
使い古された概念というか、今時こんな言葉聞かないんだけど、ビジネスのお金の流れには概ね三つあり;
・BtoB:法人と法人の取引
企業が事業を遂行する上で必要な取引。仕入れや販売などで買う人や売る側の意志決定する人が「実際に利用するサービスや商品ではない」場合が多い。いわゆる「会社の金」ってヤツね。
・BtoC:法人と個人の取引
これは買ったサービスや商品を実際にお金を払う人が利用する取引。商店やスーパーで買い物をするのもそうだし、住居を買ったりするのもこの類の取引。
・CtoC:個人と個人の取引
売り手、買い手の双方が個人の都合で行われる取引。典型的な例としてはフリーマーケットやネットオークションが該当する。買う方も売る方も責任の所在はその取引に関わった個人に帰属する。
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お金の基本的な流れってこんな感じだと思います。
それで現在の当事務所の収益の柱は「BtoC」なんですが、今年は「BtoB」に力を入れる方向で動いている。ただ、世間の99%は漠然と「儲けよう」と必死になっているわけです。
「漠然と儲けようと必死」なのはいいんですが、それってどこかで破綻する考えなんじゃね?といつも思うんです。それで当事務所は偶然「BtoC」に力を入れているわけではなく、意外と戦略的に力を入れている。
理由はシンプルなのだけど、実際に利用する人がお金を払うサービスで蓄積された信用は事業運営上の強み、になると思っているから。
ただし、これが浸透するにはすごい時間がかかり、そして実に儲からない。時間をかけて育った事業や収益基盤というのは突然衰退する可能性が低いというメリットがある一方、そう簡単には軌道に乗らないし、育たない。
軌道に乗せづらい一つの理由は「自分のお金」というのが大きい。誰しも自分のお金を使う時は慎重だし、損をしたくはないのだ。
一方、BtoBの場合は得てして「他人のお金」というか「自分に帰属しないお金」だから意志決定プロセスがゆるいことがままある。意志決定する権限はあるが「自分の財布」ではないからだ。しかも「会社の経費」というのはどこの会社でも自分の財布のお金よりも扱いが雑である。
また、(ちょっとクドイ話になるけど)法人のお金、個人のお金、この両者の性質はいささか異なる。
千円は千円だろ?
と思われるかも知れないが厳密に言うと「違う」のである。
企業が支払う「千円」というのは同一事業年度内の収益から払われた場合は「経費」なので「非課税」である。しかし、個人、特にサラリーマンの払う「千円」というのは所得税が源泉徴収されたあとの「千円」なので課税後の「千円」で本質的には企業の払う「千円」とは違うのです(※この考え方は経営者ならピンと来ると思うけど)。
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別にこんなことを考えなくても商売なんてできるので、私が考えすぎていると言える部分ではあるのだけど、意外とこうしたことを気にしながら商売している。
日々漠然とビジネスをしている人は一度この「誰のお金か」を意識してみると、それだけで今までやってきたことが違って見えると思う。
また、サラリーマンは自分の給料の源泉はどこか?を考えるのも良い。特に「給料が安い」と嘆いている人にとってこの部分を一度見直せばなぜ「給料が安いのか」が理解できると思う。
まぁ、ただそうは言っても「給料が安いと嘆く人」というのはこうした分析をしないので給料が安いままなんだけどね。


