2、3ヶ月に一度だが一人でフラフラと飲み歩く。カメラ片手に馴染みの飲み屋に顔を出し、軽く呑んでは気の向くままに写真を撮る。
明らかに不審者だ。
昨日は以前から気になっていた店に行き、瓶ビールとモツ焼きで軽くウオーミングアップ。
店に着いたのは5時過ぎだったが店内はすでにパンパンに混んでいた。まぁ、だいたいが年配のご常連たちだがスーツ姿の人も散見される。やはり「昼間から呑める店」は隠れた巨大マーケットである。
カウンターの隅っこ一人モツ焼きを串から外して箸でつまみながらこの後のプランをあれやこれやと考える。とくに目的の店があるわけではないが恐らく「いつも通りの流れ」になることは薄々察しがついている。
軽く小腹も満たされ、ほどよい具合に酔いが回り店を出る。気の向くままに歩く。ただ、三軒茶屋という町は気の向くままに歩くと迷う。キャロットタワーがランドマークなので見失わないようにしないと方向感覚を失う。特に太子堂界隈の住宅街は複雑きわまりない。
しばらくして再び茶沢通りに出て、これまたいつも通りの流れで串揚げ屋へ。この店はできた頃から行っている。店長が代わり、今では若い大阪出身の兄ちゃんがやっている。この兄ちゃんが気さくで面白い。
入ってみると他の客はおらず、すでにお腹はモツ焼きで満たされているので呑む。兄ちゃんが仕込みをしているのを横目にビールを飲む。外はまだ明るい。外が明るいのに酒を飲むというのはちょっとした罪悪感が沸くと共に、その罪悪感がちょっとだけ快感でもある。
小一時間ほどしても客が来るわけでもなく、ちょっとだけ口寂しくなってきたので兄ちゃんに何か揚げてもらうことに。ただ、どれもしっくり来ない。この店の串揚げは旨いのだが、このときはなんとなく肉や野菜の気分ではなかった。すると兄ちゃんが;
「バームクーヘンどうっすか?」
と勧められ、「何をアホなことを・・・。」と思っていたがメニューには堂々と書かれている。
聞けば開店当初からあるという。大阪の串揚げ屋では定番なんだと。ならば冷やかしと好奇心で頼んでみる。それにしてもこのメニューの中で違和感もなく溶け込んでいる。
それで出てきた「それ」は明らかに串揚げ。早速一口食べてみる・・・。
旨い・・・。
お味はドーナツに近いのだが、アツアツなのでやわらかくて甘みがほんのりとあり、バームクーヘンの香りが良い。私はそもそも甘いものがつまみでも苦にならない質なのでこれはなかなか良いもの見つけた。すると兄ちゃんが;
「ちょっとソースかけてもイケますよ。」
この兄ちゃんはまたトンチンカンなことを言い出した。まぁ、私もそこまでひねくれてはいないので店主がそう言うならそれに乗っかることにした。ちょこっとソースをかけて食す・・・。
旨い。
これは新発見。
ほどなくして別な客が来た頃合いでこの店をあとにし、また別の店へ行った。
それにしてもけっこう気に入ってしまった、バームクーヘンの串揚げ。

