今日は週末にも関わらず、シビアに撮影料金について私の私見を書きたいと思いますw
まず;
●「撮影料はいくらですか?」
時折ですが、唐突に;
「撮影料はいくらですか?」
と聞かれます。これは聞く側も聞かれる側も心当たりのあるフレーズだと思います。
でね、実のところこれって「答えようのない問い」だと思いません?一応当事務所規定の料金設定はあるにはあるのですが、それを答えて受注した試しがない(笑)
それで結局どうせ受けられないのなら最初から;
「高いです、しかもベラボーに♪」
と言うことにしている。
だってそもそも何を撮るのかどこで撮るのか、何カット欲しいのか分からないのにそんな半ば興味本位で聞かれた質問に答えても良いことなんてない。
結局のところ「工数商売」なのでどの程度の手間や難易度か分からないのは請ける方も怖いのだ。なので撮影を依頼するときは(私に限らず)「具体的な撮影内容を伝え、そして可能であれば予算も伝える」のが正しいと思う。こうして聞かれれば相手も「高い安い」ではなく、「損得で判断」してくる。結局のところカメラマンも人間であり、あくまで商売なので自分の都合だけで商売できないことは知っている。たまたまその日が空いていたり、自分にとって何かしらプラスになるなら受けてもらえる可能性がゼロではないと思う。
この辺に「撮影料がブラックボックス」の理由があると思う。
また、雑誌やWeb媒体のような場合、社内やその部署で写真に使える予算が決まっていることがほとんどだと思う。日々大量のビジュアルを扱うのにカメラマンごとに撮影料を分けていたら手間がかかって仕方ない。なので当然高い媒体、安い媒体が出てくる。でも、そういうところから仕事を請けているカメラマンがいるということは前述した事情と整合性があると思う。
●「撮影料が安くなって廃業するカメラマンが増えている」
これってすごい他力本願というか時代錯誤な考えなんだけど、そもそもフィルムからデジタルに変わって写真撮影のワークフローが180度変わったという点を考慮して言っているのか聞いてみたい。
私は40歳だが完全に「デジタルネイティブ世代(デジタルでしか撮ったこと無い世代)」である。むしろフィルムで撮ったことなんて数回しかない。そしてフィルムがメインの時代だとフィルム代やポラなどの撮影資材のコストが相当かかっていたし、フィルムはデジカメと違い撮り直しもできず、当時のカメラマンは「先生」と呼ばれ、完全に「職人技」だった。むろん納品まで最低でも2~3日かかっていた。撮影料は「著作物を扱う」という理由も手伝って今とは比べものにならないし、「レンタルポジ」(今では「ストックフォト」とか「素材集」と言われているもの)なんて写真一枚で年間一億稼いだというカメラマンがいたというのも聞いたことがある。
一方、デジタルになってどうか?
撮ればカメラの液晶モニターで確認できるし、撮り直しも無限にできる。記録媒体もハードディスクや光学ディスクなどコストも安く、かつ大量に保存ができる。しかも納品に至っては「即日納品」も普通である。私の場合、午前中に撮影したデータを夕方にはFTP経由でクライアントに渡すことは普通にある。これだと物理的な「発送作業」もない。
要するにフィルム時代よりも明らかに「工数が激減」しているのだ。こういう労働集約ビジネスというのは「工数=時間=コスト」なので工数の減少はコストダウンの重要な要因である。
すなわち、フィルム時代と同じ撮影料金を取ろうとするほうがそもそもの間違い。技術革新というものは何かしらのコストが下がるからメリットがあるので、そういう意味では時代の流れとして何一つ間違っていない。
しかも、毎年日本国内だけで1,000万台のデジカメが流通し、携帯電話にも高性能なカメラが付いており、「一億総カメラマン時代」の現状においてぶっちゃけ「写真撮影」というのは特別なものでもなんでもない。そしてそのイージーさゆえに安易にカメラマンを志す人たちが多く、結局大量にカメラマンが存在しているらしいがイージーさを勘違いして入ってきた人たちが勝手に自滅しているとも言える。
違いますかねぇ・・・。
●「出版不況で仕事が減っている。」
バカも休み休み言って欲しいものだが本気でこう思っているカメラマンは多いんではないだろうか。
まず、その辺の書店に行って見るとわかるのだけど「写真を一枚も使っていない書籍」というのは一つも無い。むしろ、多種多様の書籍、雑誌、ムック本など写真が満載のものばかり。
あと、雑誌以外にWeb媒体や電子書籍などでも写真を目にしない日はないわけで、「撮影業務」ということで言えば別に紙媒体に拘る必要も無いと思うけど。それに今後ますます「写真の需要」は増えると思います(あくまで私見)。
●「商品撮影一点200円」
某ブログで見かけたのだが、商品撮影一点200円、6点で計1,200円の仕事を請けるかどうするか悩んでいるカメラマンがいる、という話。
こういう話は意外と普通にあるし、こうした話は写真業界に限らずどこにでもある話。ただ、撮影業務という点に関して言うとこの仕事を出しているほうに悪意はなく、「やる奴がいるからやらせやっている」ということだろうと思う。
これはこういう仕事を発注する側が賢い(?)と言える。
結局のところこういう仕事を請けるカメラマンというのは自分で自分の首を絞めているということに気付かずやっている場合が多い(不勉強なだけとも言える)。普通は採算なんて合わないと考えるべきだがそういう仕事を請けてしまっていることに疑問を持つべきだと思う。ただし、本人が納得しているならそれで良いと思う。
ちなみに「好きなことやっているから儲からなくても良い」というのは理由にならないし、むしろ「逆」だと思う。
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自戒も込めて敢えて書くと、結局のところ「いい写真」とか「綺麗な写真」って誰でも撮れる時代なんですよ。実際私のワークショップでライティングのセットさえしてしまえば参加した人たちは皆さんちゃんと撮りますし、私が撮ったから特別何かが違うってこともない。
ただ、そうは言ってもポルシェに乗っているカメラマンもいれば電車で移動しているカメラマンもいるんです。こういう状況は現在の特徴かと言えばそんなことはなく、昔からこうした「差」はあるし、これからも変わらないと思います。
ご参考まで。

